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体育館から出ると、煌弥が乗る黒のベンツはなかった。
涼はバイクに跨がり、1度エンジンを吹かすと、先に学園から出て行った。
俺も待機している白のベンツに乗り込む。
今まで煌弥が先に帰る事なんてなかった。
何があっても、黒のベンツの中で待機していた。
それが『戻る』と告げてきたと言う事は……玲ちゃん絡み?と思った俺は、拓海に電話をすると、ワンコールで出た拓海。
「今、戻るけど玲ちゃんは?」
俺の問い掛けに『繁華街だ』と答えた拓海に『戻ってから聞く』と答え、通話を終了させた。
通話を終了した俺は、自分の考えが甘かったと思った。
玲ちゃんは、俺達に話した後、全てを俺達に任せて、単独行動をしないと勝手に思い込んでいた。
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