中村大和side②ー消えた玲ちゃんー

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ビルを出てから、黒のベンツの後部座席に乗り込む煌弥。 俺は、助手席に乗り込む。 「繁華街の北側の入口」 煌弥が言うと、黒のベンツが走り出す。 煌弥は、後部座席で腕を組んで瞼を閉じている。 会話はないけど、煌弥が何か考えている事は分かる。 常に、物事をじっくりと、色んな角度から見て、そして早く片付ける道を探すのが、煌弥だ。 拓海も、それが分かっているから、長い話しでも最初から話した。 結論だけを聞いても、上手くはいかない。 それを俺達に教えてくれたのは、煌弥だ。 『停まれ』と煌弥が言った場所は、16階建てのマンションの前。 このマンションは、全てオートロック。 管理会社に連絡を入れ『緊急だ』と告げた後に、煌蓮の名前を出した。 暫くすると、管理会社の社員が、マンションの前に来たのが分かる。 助手席から降りると、煌弥も後部座席から降りて来た。 『601』と言った煌弥の冷たい言葉を聞いて、管理会社の社員が、ヒビリながらエントランスに入り、パネルを操作している。 ドアが開いてすぐに、煌弥は駆け出した。 俺は管理会社の社員と共に、エレベーターを使い6階に上がる。
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