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ビルを出てから、黒のベンツの後部座席に乗り込む煌弥。
俺は、助手席に乗り込む。
「繁華街の北側の入口」
煌弥が言うと、黒のベンツが走り出す。
煌弥は、後部座席で腕を組んで瞼を閉じている。
会話はないけど、煌弥が何か考えている事は分かる。
常に、物事をじっくりと、色んな角度から見て、そして早く片付ける道を探すのが、煌弥だ。
拓海も、それが分かっているから、長い話しでも最初から話した。
結論だけを聞いても、上手くはいかない。
それを俺達に教えてくれたのは、煌弥だ。
『停まれ』と煌弥が言った場所は、16階建てのマンションの前。
このマンションは、全てオートロック。
管理会社に連絡を入れ『緊急だ』と告げた後に、煌蓮の名前を出した。
暫くすると、管理会社の社員が、マンションの前に来たのが分かる。
助手席から降りると、煌弥も後部座席から降りて来た。
『601』と言った煌弥の冷たい言葉を聞いて、管理会社の社員が、ヒビリながらエントランスに入り、パネルを操作している。
ドアが開いてすぐに、煌弥は駆け出した。
俺は管理会社の社員と共に、エレベーターを使い6階に上がる。
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