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「ドアが破損している時は、煌蓮宛に請求書を送って欲しい」
エレベーターの中で、管理会社の社員に言うと、何度も頷く。
非常階段から上がった煌弥は、エレベーターよりも、早く着いているだろう。
管理会社の社員とエレベーターを下りて、601の部屋へと向かう。
「ソイツは帰らせろ!」
601の部屋の前につく直前に、煌弥の声が聞こえた。
『悪いけど、帰ってくれない』と言うと、何度も頷いた後に、管理会社の社員は逃げるように去って行った。
601の部屋のドアは、煌弥が壊した形跡がある。
中に入り、気づいた。
血の臭いがする。
それに、薬品の臭いもする。
「此処にあるモンを全て運ばせろ」
煌弥は、パソコンを操作している。
だけど、玲ちゃんの姿はない。
それに怪我しているのか?血の跡がフローリングの上に残っている。
軽い怪我ではない。
涼に連絡をするとワンコールで出たから要件を伝える。
「ワンルームマンションの部屋の物を全て運ぶ。
急ぎだ。乗り物はトラックとワゴン車。
それと、掃除用具を持って来てくれ。
場所は、繁華街の北にある16階建てのマンション。
近くに来たら、連絡してくれ」
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