中村大和side②ー消えた玲ちゃんー

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今はグスグスしている暇はない。 「此処にある物全て、煌蓮総本部に運ぶ。運んだ後、雑巾で床を綺麗にしてくれ」 俺が言うと『了』と答えたメンツ達は、忙しく動き回る。 「玲ちゃんは?」 涼の問い掛けに『分からない』と答えると『マジかよ』と小さく呟いた。 何が起こっているのかも、まだ把握していない。 唯一分かるのは、玲ちゃんが消えたと言う事だけだ。 メンツ達が荷物を運び、綺麗にされた部屋をもう1度確認する。 管理会社の社員が来ても、分からないくらいに、血痕は綺麗に拭かれている。 俺は管理会社に、ドアを直す様に連絡を入れた。 もちろん、かかった費用は煌蓮が払う事も伝えた。 急いで来た管理会社の社員に、後を任せ、その場を後にした。 マンションから出ると、黒のハイエースが停まっている。 その黒のハイエースの助手席のドアを開けて乗り込む。 「俺、最近思うんだわ」 黒のハイエースのエンジンをかけた涼が言った言葉に『何を?』と問い掛けた俺。 「俺等って、玲ちゃんから見たら、ガキの集団なんだろうな。ってな」 涼の言葉に『そうだな』と答えた俺は確信した。 俺達と違い、玲ちゃんは、やはり1人でも戦う戦士だと。 生きてきた環境が余りにも違う。 だけど、俺達のトップは、貴島煌弥だ。 『煌弥を信じて、ついていくしかないだろう』と言うと『あぁ』と答えた涼。
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