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今はグスグスしている暇はない。
「此処にある物全て、煌蓮総本部に運ぶ。運んだ後、雑巾で床を綺麗にしてくれ」
俺が言うと『了』と答えたメンツ達は、忙しく動き回る。
「玲ちゃんは?」
涼の問い掛けに『分からない』と答えると『マジかよ』と小さく呟いた。
何が起こっているのかも、まだ把握していない。
唯一分かるのは、玲ちゃんが消えたと言う事だけだ。
メンツ達が荷物を運び、綺麗にされた部屋をもう1度確認する。
管理会社の社員が来ても、分からないくらいに、血痕は綺麗に拭かれている。
俺は管理会社に、ドアを直す様に連絡を入れた。
もちろん、かかった費用は煌蓮が払う事も伝えた。
急いで来た管理会社の社員に、後を任せ、その場を後にした。
マンションから出ると、黒のハイエースが停まっている。
その黒のハイエースの助手席のドアを開けて乗り込む。
「俺、最近思うんだわ」
黒のハイエースのエンジンをかけた涼が言った言葉に『何を?』と問い掛けた俺。
「俺等って、玲ちゃんから見たら、ガキの集団なんだろうな。ってな」
涼の言葉に『そうだな』と答えた俺は確信した。
俺達と違い、玲ちゃんは、やはり1人でも戦う戦士だと。
生きてきた環境が余りにも違う。
だけど、俺達のトップは、貴島煌弥だ。
『煌弥を信じて、ついていくしかないだろう』と言うと『あぁ』と答えた涼。
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