黒の烏

GAME OVER

妊娠したと知った時、普通の人なら喜ぶと言うものだろう。

だけど、私は普通じゃない。

戸籍のない……私。

この世に存在しない……私。

ネットの世界とは言え、烏に殺された……私。

そんな私が、赤ちゃんを産む？

冗談じゃない。

私は生きていく上で、邪魔になるものはいらない。

この気持ちを、赤の他人に分かってもらおうとは思わない。

いらないものは捨てる。

それこそが私らしい生き方。

その生き方さえも、理解してもらおうとも思わない。