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プライベートルームの中に入った私は、再びクロゼットに近づき、扉を開けると、書類を8折りにしてから、ジャージの上着のポケットに隠した。
未成年だから、保護者の欄にも記入して捺印しなければ駄目だ。
それに、私の署名捺印もいる。
だけど、それに対して不安はなかった。
3日後に病院に行ければ良いだけだ。
きっと私を待っている人が居るから。
それは私の中にある野生の勘。
烏には、なんとでも言える。
2日間、何も口にしなければ、烏は病院に行けと必ず言うはずだ。
だから、私はその時を待つのみ。
私が予想した通りに、3日後『病院に行け』と言った烏。
その言葉に頷いて、再び私は大和と共に産婦人科病院に向かう。
『時間がかかるかも』と言った私に『何時間でも待つ』と答えた大和。
車から降りて、産婦人科病院の中に入る。
「待ってたわ」
私の姿を見た人が言った言葉を聞いて、その人に書類を渡す。
すると、その人は私の名前を記入した後に、捺印を押した。
私はその書類を受け取り、受付を済ませる。
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