捕まった玲

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捕まった玲

『あんたは、ホントに馬鹿なんだから』  暗闇の中で、美里の声を聞いた様に思った。 瞼を開けようと思うけど、開かない。 理由を探そうとしてみるけど、頭の中が霧がかかった様な感じで、直ぐに意識が遠のく。 そんな時を過ごしたように思う。 瞼をうっすらと開けると影が見えたのは、私の錯覚。 あれからどうしたんだっけ? 考え様とする私の耳に『熱が出てるから』と、また美里の声が聞こえてきた。 美里は生きていると思ったのは、美里に拾われた時と同じ感覚だったから。 あの時も、何度も私に声をかけてくれていた美里。 それが心地良いと思ったんだ。
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