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冷たい金属の感触が、両手首に感じて、ゆっくりと瞼を開けた。
目の前に広がるのは、見た事がある天井。
ぼんやり見ていると、徐々に頭の中がすっきりとしてくる。
そして、今の状況が分かった。
私は、布団の中に寝かされていてる。
しかも、全裸だ。
両腕は頭の方にあって、両手首には手錠がされている。
起き上がろうとして、右の太股に激痛が走り『ツッ…』と言う言葉が出た。
「やっと目覚めた訳。
少し薬を多く使い過ぎたかな」
その言葉が聞こえ、声が聞こえた方へと視線を移す。
私の視線の先に男が2人居た。
その2人の男が誰なのか?……私が1番良く知っている。
『傷を早く治して、仕事をしてもらわなくちゃなんだが』と言う言葉を聞いて、考えを変えたのだと思った。
『その前に』と言いながら、1人の男が近づいて来る。
それに対して何も思わない。
目の前に居る男達とは、仕事を熟す時に、身体の関係になっている。
変装した私と。
早く言えば、援助交際。
だけど男達は、変装した私だと気づいていなかっただろう。
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