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闘いの決着と紫陽花の花言葉
「どうですか。まだやりますか。」
「こんなことしていいと思っているのか。ネットで暴行された言いふらしてやる。」
王は、悔しくてたまらなかった。自分でも情けない、無様だと思ったが、そう叫ばずにはいられなかった。
中国から日本に出稼ぎにきたが、良いことなど一つもなかった。気づけば、ヒモ同様の生活をしていた。自分がこうなったのも、みんな社会のせいである。世の中、すべてが憎い。
「仕方ありませんね。」
王は、私が不気味に笑うのがわかった。
「こ、殺すのか。」
「そんな物騒なこと、できません。いやね、実際にはやったことは無いのですが、実戦で生きた人間には使うのは初めてなんですが、突いてみたい秘孔が・・・・・・たくさんあるんですよ。たとえば、ここ。」
私は、背中のある秘孔を突いた。
猛烈な便意が爆発的に生じた。我慢できないほどだ。王は、真っ青になった。
「止めてくれ、頼む。」
「まあ、まあ、そう遠慮なさらずに、次は・・・」
「次は、な、何だ。」
王は、湧き上がる恐怖に襲われる。パニックに陥っていた。
「男としての機能を停止させる秘孔なんか、如何でしょうか。」
「それだけは、止めてくれ。お願いします。言うことは何でもいたします。もう、金輪際、花音には関わりません。どうか、お願いします。」
王は、うつ伏せにされていたが、土下座せんばかりであった。
「突いてみたいんだけどな。」
私は、女をいたぶる卑怯者には容赦ない。根っからのどSである。
「本当です。嘘をつきません。お願いします。」
「そう言うなら、許してやろう。もし、花音のことで、ネットやラインで書きこみがあったら、その時は容赦しない。見つけ出して、突きたい秘孔を全部、突くからな。」
私は、王の延髄に今度は強く当身を入れ、気絶させた。
その後、高く跳躍して、木の枝から鞄を取る。
ふと目を向けると、公園には紫陽花の花が、赤・青と綺麗に咲いていた。紫陽花の花言葉は、たくさんある。
元気、辛抱強い愛情、家族の結びつきといった明るい良い言葉。
一方、移り気、美しいが冷淡、高慢といった悪い言葉。
どちらにせよ、物事には両面がある。
それに、女は、境遇でどんなにも変わる。
悪女の顏、聖母の顏、幾つもの顔を持つ。
どの顔を引き出すか、男の度量が問われる。
私は、気を引き締めるのであった。
また、王が立ち直ること、人生をやり直すことも強く願うのであった。
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