相当な女

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「それじゃあ、式にも呼んでくれない薄情なヤツと、俺たちの大切な彼女をかっさらっていった憎っくき男と、さっきから見せつけてくるいけ好かないヤローと…」 「いやいやいや久砂さん。めちゃくちゃ隆二さんの悪口になってますから!」 久砂さんと宗正くん、サナが到着して、シャンパンを手に乾杯の言葉を待っていたら、笑っちゃうくらい恨み節。 「いーんだよ本当の事なんだから。な、隆二。でもまぁ、改めて二人ともおめで…」 「「かんぱ~い」」 久砂さんの言葉を遮った宗正くんとサナの声で始まったパーティ。料理の美味しさに驚きながら、どんどんボトルを空けていった。 男三人は、ソファで寛ぎながら仕事の話をしているみたいで、もう少しリビングの照明を落としたら即席クラブを開けそう。 それくらい三人揃っている絵は強い。 「やだぁ~間に入りた~い」 サナが黄色い声を出すと、すかさず宗正くんが手招きする。自分の隣に座らせて、腰に手を回して。 なんだかんだ、こちらも続いているみたい。ラフな関係性のままみたいだけど。 楽しい時間はあっという間に過ぎていき、全員が酔いを感じ始めた時。reiさんが何かを載せたトレーを運んできた。 「これは、私からのプレゼントです」 ウェディングケーキを連想させる華やかなデザートが盛り付けられたシャンパングラス。それがタワーになって、そびえ立ってる。 「皆さんのご職業をお聞きしたので作ってみました。どうぞ召し上がって下さい」 ブランデーが使われているのか、彼女が火を点けるとグラスの回りを青白い炎が艶やかに彩った。 reiさんの粋な計らいに、隆二さん含め全員のテンションが上がる。 「うわ~すっごぃ!彼女天才!」 「ありがとうございます」 「女性の料理人ってカッコいいよな」 「ありがとうございます」 宗正くんと久砂さんの言葉に表情を変えることなく対応するreiさんは流石プロ。ここで自分たちが主役になってはいけないことをしっかりと心得ている。 だけど、 「……ありがとう」 「……いえ…」 隆二さんの謝辞に耳を赤くしたこと、一瞬身体に力が入ったことに私は気がついてしまった。
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