金糸雀と

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金糸雀が歌っている 歌はそのときの気分で楽しいげな歌だったり哀しい歌だったり。 空は快晴、風は緩やかに金糸雀の歌を遠くまで響かせていた 「船長、見えましたぜ。今日の白鳥が!!」  船首から大きなダミ声で叫んだのは右目に斜めの傷のある船員で確かカラスの獣人だ 「白鳥が金の鳥に見えますぜ!」 同じく甲板にいた猛禽類キメラがライオンのような尻尾を振りながら言う 船員がそう言うのも無理はない。俺たちの追っている客船の形が白鳥に似ているのはもちろん本来は白い船体は煌びやかにこれでもかと飾りたてられている 白鳥を捕らえるべく自分の船のスピードを加速させる指示をだすとともに愛用の細身の剣を抜き放ち白鳥のいる方向へ剣を指し示す  「さぁ、野郎ども狩りの時間だ」 ハーフアップで纏めた金髪をなびかせ不敵に笑った男は高らかに宣言した 船内は泣き叫ぶ声と怒声が飛びかい逃げ惑う人であふれていた。 船と乗客をまもる護衛たちと船員たちがそこかしこで戦い、敗者は床に血を流して転がってる状態ではしかたあるまい。 お宝探をしつつ船内を歩いてるとある貴賓室の扉から苦し気なうめき声が聞こえ足を止めた。部屋からは数人の気配があるが気にすることなくドアを少し開け発煙筒を投げ入れる。 「なんだコレは?!げほっげほっつ!!!」 部屋は一瞬で煙に包まれ近くにいた護衛らを切り、ゲホゲホむせてうるさいデブを部屋から蹴りだした。 そうして煙が晴れると 首輪や腕輪などの宝飾品を着けてるが手足には鎖で繋いだ鉛の枷。 口には自殺・叫び防止用の口輪がはめられ頭に生えたウサ耳と小さな体は小刻みに震ながら床の死体と俺を交互に見ては赤い瞳から涙をこぼし続ける少年 「へぇ~、こいつぁは珍しい。準絶滅危惧種のウサギ属のガキと・・・ 絶滅危惧種特A 人間 だよな?本物を見るのは初めてだ」 こちらも宝飾品を着けてるのは同じだが手の枷が壁に固定され下半身には貞操器具が着けられ後口に埋め込まれた器具が丸見えになるよう大股開かせた卑猥なポーズで足が固定されていた。 腰と足をガクガクと震わせ瞳から涙をこぼし堪えきれない声と荒い息が口輪から苦し気な呻き声となって響いていた
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