大神様からの手紙

1/1
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ

大神様からの手紙

ウサギ「大神様から手紙だと⁈」 鷲「はい。至急、神様へ読んで欲しいとの事です」 神様「嫌だ」 ウサギ、鷲「へぇ?」 神様「嫌だ。捨てろ」 ウサギ「何を言ってるんですか!大神様からの文ですよ!早く読んで下さい」 神様「きっと、早よ帰れとか、早よ嫁もらえとか、そんな事しか書いてないだろう…」 鷲「しかし、大神様からは、必ず読むようにと…もし、読まないと言うなら…」 神様、ウサギ「読まないと、どうなる?」 鷲「闇よへと、突き落とすと…」 ウサギ「そんな…早く!早く読んで下さい!」 神様「わかった!わかった!」 闇よとは、真っ暗なあの世の事。 闇よへいけば、暗闇を1人で永遠と彷徨い続かなくてはいけない。 ウサギ「なんて?なんて書いてるんですか?」 神様「ちょっと待て!え?嘘、マジ⁈」 ウサギ「なんですか、その現代っ子みたいな言葉。」 神様「………」 ウサギ「だから、なんて書いてあるんですか?」 神様「人間の嫁出来るまで、天に帰れない…」 ウサギ「はい⁈」 神様「だから、嫁出来るまで、天へは帰ってくるなと…」 ウサギ「はあ?ちょっと手紙貸して下さい!」 …大神様からの手紙の内容… 結論から話す。 人間の嫁を見つけるまで、天に帰る事を禁じる。 お前が天に入れないよう、門番には伝えておる。 絶対に天には入れない。 いいか? 代々、神は生まれて、一度は人間界で家庭と言うなの修行を行い、全うする事で高貴な神へと上がっていく。 しかし、お前はなんだ? もう良い年だろう! いい加減、人間界で家庭を持て! さもなければ、お前が昔、私の懐から盗んだ小判を今すぐかえしなさい! 天にも入れない。 いいか、これは冗談でもない。 それでは、これにて。 大神より… ウサギ「やばい」 神様「やばい」 鷲「…それでは、わたくしは、この辺りで…」 そそくさと、逃げるように去っていく鷲。 ウサギ「それでは、わたくしも、この辺りで…」 神様「待てぃ!お前は、私の召使いだろう。この私が立派に嫁が出来るまで、支えるのだ!」 ウサギ「いや、自信ないっす」 神様「え?自信ない?」 ウサギ「はい。だって、神様、恋愛経験ゼロだし、女性の扱い知らないし、無理じゃないですか。」 神様「アッサリとばさっと、ズバリというな…神様、傷づく…」 ウサギ「あと、なんですか、小判って?大神様の懐から盗んだんですか?」 神様「いや、借りただけ」 ウサギ「もう!200年以上借りっぱなしって事ですか⁈」 神様「仕方がないだろう…それより、嫁探し頼むよ…」 ウサギ「はあ…仕方ありませんね。まあ、嫁と言うより、今はお付き合いできる彼女を見つけましょう」 神様「おぉ!彼女かぁ。」 ウサギ「そんなニヤニヤと気持ち悪い顔しないで下さい。それに、すぐに彼女が出来るかわかりませんよ!はぁ…まずは、彼女ができるようにするには、この山奥の森から出て、町へ降りましょう」 神様「町⁈1番、住んでみたいと思ってたんだよね」 ウサギ「それには、まず、神様は人間の格好をしないといけません。」 神様「わかった。人間へ化けるのは得意だ。お前も人間に化けるのか?」 ウサギ「当たり前です。人間と話すウサギがいたら、それこそ捕まります」 神様「では、早速人間に変…」 ウサギ「ちょっと変身待った!」 神様「何…早くしてよね」 ウサギ「どんな服を着るおつもりですか?」 神様「何を言っておる、袴に決まっておるだろ。現代風にいえば、男は黙って袴だろ」 ウサギ「はあ…先程祠に居た、隆、貴江の衣を見ましたか?」 神様「さて?どんなんだったけ?」 ウサギ「洋服と言う物です。袴など来て、女性の前に出たら、一瞬で嫌われますよ」 神様「そうか!なら、洋服だ!」 ウサギ「その洋服のイメージは、湧きますか?イメージが湧かないと変身できないでしょう」 神様「あっ、そうだった。どうしよう」 ウサギ「はあ…先が思いやられる。あっ、この近くに神社があります。人間が参拝に来るのを見た事があります。そこに行って見ましょう」 神様「よし!行ってみよう」 そうして、2人は神社まで行く事となった。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!