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ダニエルはですよね、と苦笑してから
「でも、アノ時どうしてもダメで。
こないだ初めてシたんですけど、そもそも勃たなかったり折れちゃったりして。
もう僕も彼女もプライドズタズタ。
今日、男の人とシてもダメだったらどうしようって、ホント思ってました」
ダニエルは笑いながら鼻を啜った。
肇がティッシュの箱を渡すと、すいません、と鼻をかんだ。
「ま、ツイてなかったな」
「そうですかね」
「俺も調子悪いときはそうだしな。男同士でも」
「そうなんですね」
「そ。ツイてない日だったのさ」
アハハ、とまた子どものようにダニエルは笑った。
肇はベッド脇のデジタル時計に目をやる。まだ時間は残っている。
「もう一回」
肇はダニエルを押し倒した。
ダニエルはえっと、と頬を指で掻きながら
「今度は、僕が上でもいいですか」
と聞いた。
「もちろん」
肇はセックスが出来ればそれでいいのだ。
ダニエルは悪戯っ子のように笑い、彼らは親友のように抱擁を交わしてベッドに転がった。
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