唯一の恋

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翌週、私は何事もなかったかのように彼の家を訪問した。 「本当に来たんだ。でも、俺の気持ちは変わらないよ。これからも」 彼はやっぱり寂しそうに笑った。 「いいんです。私のこと好きになってくれなくても。ただ一緒にいて、楽しいと思ってもらえるだけで充分です」 本当は私のことを見てほしかった。好きになってほしかった。 でも、そうじゃなくてもいい。この広い家に一人でいる彼の人生が、少しでも(いろどり)のあるものになってくれれば。 ◇◇◇ そうして私は毎週末に彼の家にお邪魔し、映画を観たり、談笑するだけの時間を過ごす、ということをこの七年続けてきたのだ。 一度も欠かさずに続けていたのに、急にそれが途絶えたら彼は寂しがってくれるだろうか。 私は病院のベッドから外の景色を眺めながらそんなことを思っていた。
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