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 課内の女性社員の一人と雅之は親しくなった。女性は入社してまだ数年で、雅之にとっては初めてできた部下のようなものだった。特に美しいという訳でもなく、誰かの眼を惹くような魅力がある訳でもない。普通と言えば普通過ぎる女性だった。  関係を持ち暫くすると、雅之はその女性から急激に興味を喪っていった。彼女は雅之を愛していてくれたし、求めてくれてもいた。 だが雅之はそれが余計に疎ましく感じられて、仕事でも邪見にあたるようになっていった。  女というものがよく分からない生き物であるような、自分の求めていた何かと違うような気分が、その頃の雅之を支配していた。  ある夜、おざなりな行為を済ませて二人で横になっている時に彼女が言ったのがこの言葉だった。 「貴方は誰も幸せにしない、つまらない人。きっとこの先、貴方を愛してくれる人なんていないわ。独りで生きていけばいい」
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