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不思議そうな顔で、みすずはまとめていた髪を解き、首を振った。長い髪がふわっと降りてきて、雅之の視線を奪った。こなれた仕種に思えた。
みすずというのが彼女の本当の名前かどうか、雅之には分からない。
スマートフォンのアプリ上での名前でしかない。恐らく本当の名前ではないだろう。彼女のルックスにしては、みすずという名前は古風に過ぎた。
画像では大人びて見えた。二十歳は確かに超えているだろうと雅之は初見で思った。文面もしっかりとしていて、読むのに違和を感じるような部分も無かった。
だから眼の前に現れたみすずを見た時、雅之はかなり狼狽した。
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