君がいるから

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 それからしばらく、俺はひとりで家事をこなした。それはとても大変で、俺は改めて彼女の偉大(いだい)さを実感することになった。でもだからこそ余計(よけい)に彼女ひとりにずっとこんなことをさせてはいけないと思い、俺は彼女が回復しても家事の半分を担当した。  そしてほどなくして俺は仕事に()いた。給料も安くてきつい仕事だったけど、家に帰れば彼女がいると思えば頑張れた。彼女は仕事の量を減らし、俺が仕事に行っている間に家事を担当してくれていた。そして俺が仕事を終えて家に帰ると、夕食を振る舞ってくれる。もちろん夕食の間、俺と彼女の会話が途切れることはなかった。これまで話せていなかった分、俺は彼女に色んな話をした。それこそ家にいる間はずっと彼女としゃべっているのではないかというほど話した。  そうして日々を過ごしていくと、次第(しだい)にその生活に慣れてくる。すると仕事の役職もだんだんと高くなり、お金もいっぱい入るようになる。俺は生活費以外の金はすべて貯金していった。その貯金は少しずつではあるけど、着実(ちゃくじつ)に貯まっていった。
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