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「えと…ジンジャークッキーですが…良ければどうぞ…」
あたしはジンジャークッキーをハロルドに薦めていた。ハロルドはありがたいと思いつつ受け取ってくれた。
「あ…ありがとう」
「どういたしまして」
あたしはお茶を飲むのを一時やめてハロルドに視線をやった。
「ハロルド様はどうして私がマリウス様の婚約者だとわかったんですか?」
「…マリウスが嬉しそうに話していたのでな。どんな奴か確かめに来たんだ」
ハロルドがそう言えば時計を見てガタッと席を立った。
「…そろそろ戻らねぇと母が心配する」
「あっ、そうですね。では、玄関までお見送りさせて頂きますね」
あたしは椅子から立ち上がり、ハロルドを玄関までお見送りしに行った。
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