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花束
今日は彼女の誕生日。
彼女の彼が彼女の部屋に向かっている・・・・
ああ、オレにもっと金があったら・・・・そう思わずにはいられない。
金があれば洒落た服を買ってやって高い車に乗せてやって高い食事に連れて行って高いワインを飲んで高い宝石を贈ってそしてその後は・・・・
おっとそれはどうでもいい、とにかくオレはアイツの喜ぶ顔が見たいんだ!
その事をアイツにほのめかしたらアイツは誕生日は自分の部屋で一緒に祝ってくれるだけでいい、と言った。
「食事なら作るしそれっぽく演出するならデリバリーのピザとか何かでもいいんじゃない?」とも言ってたな。
どうやらきれいな洋服やイカした車、ワインや宝石にはあまり興味がないようだ・・・・いや、そんなことはないと思うんだが。
オレの現状を知っているからあえてそう言ってくれてるのか?
全てを見透かされてるようでちょっと情けない気がしてきた・・・・
そんなことを考えているとアイツの部屋が見えてきた。
とにかく今、オレにできるのは「誕生日、おめでとう」を笑って言う事くらいだ・・・・
そして彼は彼女の部屋の前まで来た、その手に花束を抱えて。
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