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しばらく見つめ合った後で、天凱さんが柔らかく笑ってくれた。
「俺も大好きだぞ。お前は純粋で優しく、芯が強い。……とは言ってもまだまだ脆い部分の方が大きいし、すぐ泣くし、単純で子供っぽくて、髪の毛はぐるぐるだ」
「あ、後の方は悪口ばっかりじゃないですかっ」
「ひっくるめて、愛おしい」
「わ、……」
布団の上に倒され、キモノの前帯を解かれる。何度体を見られても触れられても、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
「あっ、……あ、……天凱さ、……ん」
「今日は彰星の謹慎が解かれたお祝いをしねえと。最高に良くしてやるからな」
「ん、あ……お祝い、なら……既に……。たくさんご祝儀を頂いて……」
「それは見世にやったモンだ」
「あっ……!」
乳首を転がす熱い舌と、柔らかい唇。甘い刺激に腰が疼き、俺は天凱さんの髪を優しく揉みながら嬌声をあげた。
「んやっ、あ……、そこ、舐められると……あぁっ」
「お前を好きな理由に『体の相性が良い』ってのも付け加えておかねえとな。お前を見て触っているだけで、俺も堪んねえぐらい興奮する」
低い声で囁かれ、更に体中が熱くなってしまう。天凱さんが俺で興奮してくれるのは嬉しいけれど、そうなると益々恥ずかしいことをされる訳で……。
「彰星。俺の上に乗って脚を開け」
「えっ? そ、そんなこと、俺にはとても──」
「旦那の言うことは聞かないと、だろ?」
「あう……」
お客さん、ではなく……旦那さん。
恥ずかしくても、大好きな旦那様の言うことなら確かに従わないと。
「……な、何か俺、これから先もずっと『旦那様』って言葉を使って、天凱さんに恥ずかしいことやらされそうな気がします……」
「察しがいいなぁ、俺の彰星は」
うう、やっぱり。この人は俺が逆らえないことをちゃんと理解している。
もたつきながら身を起こし、キモノを脱いで寝転がった天凱さんの腹の上を跨ぐ。すると天凱さんが俺の腕を掴み、「もっと上だ」と体ごと引き寄せてきた。
「て、天凱さんっ、こ、これは、ぁ……駄目ですっ、こんなこと、俺にさせないでっ……!」
「いい眺めだぜ、彰星」
「やっ、あぁ──!」
腹でも胸の上でもなく、あろうことか天凱さんの顔の上を跨ぐ格好になり、──そのまま、大きく開いた脚の間のそれをすっぽりと根元まで咥えられてしまった。
「あっ、ああっ……! 駄目です、いや、ぁっ……!」
慌てて逃げようとしたが腰を押さえられてしまい、もうどうすることもできない。俺は上半身を後ろに倒して布団に両手をつき、必死に自分の体重を支えた。咥えられたペニスだけが蕩けそうなほど熱くて、熱くて、……気持ち良くって、おかしくなってしまいそうだ。
「ゆ、るして……天凱さんっ、……耐えられませんっ、……俺、あぁっ、あ……!」
激しく音をたてて吸われ、無意識のうちに腰が揺れてしまう。それに気付いた天凱さんが俺の腰を支えていた手を上へとずらし、両の乳首を指で挟む。
「あっ、……あんっ……!」
腕が震えて体重を支えていられず、俺は天凱さんの体の上に倒れ込んでしまった。
「あ、……」
顔の横にあったのは、屹立した天凱さんの男の証。
何を考える間もなく俺はその雄々しい肉棒を掴み、自分の口へと頬張った。
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