打ち上げ

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りりりりりとカラオケルームの個室に電話の音が鳴り響く。 「2時間延長で」 圭太は静かに受話器を取るとひとことそれだけ話し、すぐに電話を切った。 「大丈夫?昔何かあったの?」 圭太はものすごく優しい口調で私に聞いた。 「ちょっと色々あったんだよ」 「まだ、引き立ってんだ。そんな風になるなんて。」 なにも言い返せない。 だってそれが事実だから。私はまだ、あのことを引きづっている。 「篠山さんって、岡森中学でしょ?」 突然坂下くんが言った。 「え?私、話したことなくない?」 「俺も一緒だったもん。」 私は。中学の頃、この人を、見た記憶がない。 「関わったことないよね?」 「あるよ。篠山さん中学の時はもっと大人しい感じの人だった。」 坂下くんはそう言うけれど。私は本当に覚えていない。 「思い出したくない思い出として封印されてるのかな」 「大地なにがあったのか話せよ」 「篠山さん、話していい?」 これは本当に弱みを握られるようでいやだ。 でも。ここで話さないのはなんだかしらける。 「私が話す。なにがあったのか。でも、坂下くんとどう関わったのかはわからない。」 「それは、俺が話す。」 こうして、私は自分の過去を話す覚悟を決めたのだ。
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