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「おっはよ、篠山さーん」 下駄箱で靴を履き替えようとしていた時、横山くんが後ろから肩を組んできた。 「やめて…」 「お前のその嫌がる顔大好物。」 私は無視して、自分の下駄箱のドアを開けた。 カランカランと音を立て、中から4つ空き缶が落ちてきた。 上履きにはぐしゃぐしゃにされた紙が入っていた。 「可愛そう。いじめられてるの?」 私は涙が出そうになった。 なんで、私がいじめられないといけないの。 この人が変な噂を流したから。 私は上履きに入れられていた紙を強く握った。 「震えちゃってるよ?」 私は入れられていた空き缶を全て持つとそのまま上履きを履いて教室に向かってあるき出した。
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