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結局その空気は卒業まで続いた。
私は卒業の日を待ち望んでいた。
こんな環境早く抜け出したかったからだ。
「篠山さん。」
卒業式の日、最後に話しかけてきたのは、もちろん横山くん。
私は大きく深呼吸をして振り返った。
「君に会えなくなるのは寂しいな。あんたみたいないじめがいのあるやつのずっとそばにいたかったよ。」
「横山くんはなんでそんなに私が嫌いなの?」
「うじうじしてて、自分の気持ち全然言わないくせに、一丁前にキスを拒んでむかつくんだよ。でも、お前のファーストキスの相手は俺だから、一生忘れられないな。」
「あんなの、キスじゃないよ。だから、私はあなたを忘れる。さようなら。」
私はそういうと走ってその場を後にした。
やっと、この戦場から抜けられる。私は別れが悲しくて泣いてるのではない。
嬉しくて泣いているのだ。
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