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はじまりは突然に
遡ること2日前。
私はいつものように休み時間に大好きな少女漫画を読んでいた。
「皐月ちゃんも『王子様と一緒』読んでたんだ!私も読んでる!」
少女漫画仲間の佐藤 しおりは嬉しそうに私のそばにやってきた。
「しおりも読んでる?え、どっち派??」
この漫画には2人の王子が登場する。
チャラいドS王子と真面目で優しい絵に描いたような王子。
この漫画の読者はチャラ王派とマジ王派に分かれているのだ。
「私はチャラ王派だよ。皐月ちゃんはやっぱり…?」
「もちろんマジ王派。」
「だよねー。私は絶対ドSキャラがいいんだよねー。冷たい中の優しさっていうの?あれが最高に好き。」
「しおりはそうだよね。私は真面目キャラが好きだからな。」
そう。この少女漫画の話題で盛り上がっていた頃だ。
「へぇー皐月ちゃんって真面目キャラが好きなんだー。じゃあ俺みたいなタイプ嫌いっしょ。」
この時、初めて圭太に絡まれた。
「うん。私、あなたみたいな人嫌い。」
こういうのは変に反応するより、ノリで返す方が一番いいと思ったのだが、誤算だった。
「よし。きーめた。次は皐月ちゃん君を落とすよ。みんなすぐ俺のこと好きになるからさ、俺のこと嫌いな皐月ちゃん攻略するとか絶対楽しいわ。」
そういうと、圭太は髪をかき上げた。
そうして、彼の付き纏いが始まったのだ。
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