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休み時間になると、毎回の如く彼は私の机にくる。
「皐月ちゃんノート綺麗だね。」
「別に。普通でしょ」
適当にあしらっていた時だ。
「圭太ぁー。たまには私とも遊んでよぉ〜私ぃもう限界なんだけど」
学年1の美女、成宮 香さんが私の隣にいる圭太のことをバックハグしながらいう。
「俺、もう他に女いるからお前とは遊ばない。」
そう言って圭太は私のことを見るなりニヤリと笑う。
「あんたなの?圭太を誑かしたのは。返してよ。私の圭太を。」
可愛い子が凄い形相で睨んでくる。
「いや、私は何もしてません。この人が勝手に絡んで来るんですよ。私、この人の事大嫌いだから。安心さてください。」
「は?何言ってんのよ。圭太のどこが嫌いなわけ??こんな圭太のこと嫌いとか言う人私嫌い。」
「えー?じゃあ好きって言えばよかったの?」
「それも嫌だ。」
嫌いと言っても好きと言っても怒られる。なんなんでしょうか。この理不尽な状況は。
「香。お前もこいつもただの遊びだから。お前にはもう飽きただけ。ごめんな。」
「酷い…。最低。」
「だって俺、気分で動いてるし。」
「こんなに最低な奴なのに、どうして私まだ圭太のこと好きなんだろう。」
香さんはその場に泣き崩れた。
男子どもがここぞとばかりに慰めに行ったけれど、香さんはずっと泣いていて、チャイムが鳴る少し前に黙って自分のクラスへと戻っていった。
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