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「圭太くんの試合見たかったよねー」
試合の準備中チームメイトは口々に言う。
「皐月ちゃんも残念だね」
「ほへ?」
突然話をふられた私は驚いて変な声を出してしまった。
「だって、せっかく圭太くんのゲームのターゲットにされてるのに、試合見れないなんて。」
「ゲームのターゲットにされるの嬉しい?」
「そりゃ!もちろんだよ!一瞬でも彼の愛を独り占めできるんだもの。うちの学校の女子はみんな夢見てるよー。」
「私は、圭太のこと、嫌いだからさ」
「圭太くんのこと嫌いってまじで言ってんの?そんなこと言ってたら学校中の女子的に回すよ?私は同担拒否だから構わんけど。」
「チャラい人苦手なの。金髪とか見ると怖いって言うか、とにかくね。色々あって、金髪の男の人って無理なの。女子の金髪は大丈夫なんだけどね。」
「そうなんだ、じゃあ好きになったフリして早くゲーム終わらせるのもいいと思うよ。じゃ、試合頑張ろう!」
好きになったフリか、思いつかなかった。
確かに、そうすれば、圭太からは解放されるわけだ。
でも、それは私が負けたみたいでなんか嫌だ。
圭太に諦めてもらってこんなくだらないゲーム終わらせてやりたい。
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