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私は待ち合わせ場所に着くと辺りをキョロキョロして圭太を探した。
金髪だから目立つはずのに金髪の人は周りにいない。
まだついていないのかなと私は通行の邪魔にならないように横の方で待とうとした時。
「皐月。気づいてよ。」
私に声をかけていたのは黒髪の浴衣姿の大人だった。
私は5秒ぐらい静止してから、ようやく声を発した。
「け、け、圭太???」
「お。おう。」
「なんで髪の毛黒に??」
「浴衣には黒だろ。それに、皐月の彼氏になったんだから、きっと皐月金髪嫌いだろうし、それに、もうチャラいことはしない。浴衣、可愛いね。似合ってる」
「可愛いなんて……」
「言っとくけど、俺可愛いだけは最初から本心で言ってたよ?」
なんという彼氏だ。
今までよく私こいつの言葉を冷たく交わせてたな。
「け、圭太もなかなかかっこいいんじゃん。」
素直じゃないな私。なかなかじゃないよ。めっちゃかっこいいよ。
「サンキュー。行こうぜ、お祭り。」
私たちはどちらからともなく手を繋ぐと祭りの人並みの中へと進んでいった。
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