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〈2〉
(生きてる?)
(生きてる)
一緒にキャンプに行く予定だったタケルからのLINEに返信をしているときに思う。俺たちを繋いでいるのは、この薄いAIがたっぷり入った板だけなのかな。そう思ったときにいきなり怒りのような感情が湧いてくる。ふざけんな、なにがstay homeだ。でもなんの症状もない俺たちも、果実の堅い皮の中に熟した実が入っているように体内にウイルスを持っているのかもしれない。皮が破れたら果汁がはじけ飛ぶように、ウイルスがスパークするのか?俺たちの体から。だから誰にも会えずこうして家に閉じこもっているのか?
・・・誰にも会わなければいいんだ。
この町で一番高所にある俺たちの学校。リツの振り回していたフラッグ。
(タケル・・・おまえの学校、カラーガードの旗ある?)
(あるで、マーチング部あるから)
(アホなことせえへん?)
(アホなことはする!)
タケルとのトークを音声に変えて、脳内で生まれたばかりのアホな計画を話した。
「ヒロシとキュウジにも連絡する。キャンプ行かれへんぶん、アホな思い出作ろ!」
そして俺とタケルはルールを作った。
① 必ず一人で行うこと
② 確認をしたら、Twtterに『#アホーガード』とハッシュタグをつけて『確認した』とあげる。
③ 続いて行動を起こす
④ 無理はしない。途切れてもなんの問題もない
⑤ 外に出るときは必ずマスクをつけること
⑥ 実行は明後日正午から
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