幸福の階段を上る方法

新しいお母さん

鈴木さんの件から数ヵ月後。

また父に会わせたい人が居ると言われた。

あーあー。
どうせまた、私達が居るからお父さん、結婚断られちゃうんじゃない！？新しいお母さん、もう要らないよ。。断られた時、私も惨めになるし。
会っても無駄じゃない...という気持ち。
でも、私達に新しいお母さんを私達に作ろうとしている父の一生懸命な姿に、本音は言えず、会う約束をした。

その人は、かなりお洒落でとても美しい人だった。
聞けば、父と同学年でデパートで婦人服を売っていると言う。

なるほど、と思うくらい洗練されていた。

見た目の美しさと、自分の主張もしっかり言う様なキャリアウーマンタイプの女性だった。

優しいお母さん...というところとは、かけ離れていて決して家庭的ではなく、なんとなく子供心に「厳しそう...怖そう...」と感じで苦手な印象を持った。

しかし、何故か分からないけど、父とその人は結婚する事になった！

新しいお母さん誕生だ！！(以後、彼女の事を経母と呼ぶ)

やっと、クラスの連絡網の母親欄に名前が書ける！！ぐらいに思った。

父は、子供がどう考え、どう思っているのかを、余り気にしないタイプらしく、結婚に対する子供意見も聞いて来なかった。新しいお母さんができて子供は喜んでいるだろう...ぐらいにしか思って無かった。