幸福の階段を上る方法

新生活

父と経母が結婚し、新しい家族での新生活が始まった。
祖父母からの言い渡しで、祖父母の家の庭の中に新居を作った。

経母に、私達が虐められたりしない様、祖母が近くで監視する為の理由だった。

経母は、それでも構わず自分なりの躾を私達にどんどんしてきた。

躾の内容は主にこんな感じだ。
①TVは、1日1時間までで夜8時迄しか観てはいけない。ドラマや歌番組やバラエティーは禁止。アニメとニュースだけ。正座して床に座ってみること。目の前にあるソファーに子供は座ってはいけない。
②冷蔵庫を勝手に開けては行けない。台所に入ってはいけない。
③子供は1階のトイレに入っては行けない。
④友達は選ぶこと。
⑤それ以外の時間は各自の部屋にこもって勉強だけしている事。(時々、妹と部屋を行き来して他愛も無い話をしている時も、すぐに経母は駆け付けてきて、何をやっているんだと怒り部屋に引き戻す。
細かい事をあげれば、まだまだ出てくる。
②③の理由は、子供は汚すから、汚いから嫌だという理由だそうだ。
汚い物として、私と妹は扱われていた。

家族の食卓で明るく振る舞おうとして話をしようとしても「玄関の靴がずれていた」や「●●ができてない」など、注意されることばかりで、食卓で私と妹は話をする事も無くなった。
毎日、食事はきちんとした物は出されていたが、食事の時間が大嫌いになった。靴が数ミリずれているぐらいで注意になるのだから、あら探しされて毎回注意されている感覚になってしまった。

父は、すぐに自分のジャズが聞ける部屋に籠ってしまい、私達の間に入って取り合ってくれる事も無ければ、個人的に気にかけて話を聞いてくる事も無い。

何度か父のジャズ部屋に行き、話をしようとすると経母がやってきて「何をしてるの！？」と問い詰めれ「お父さんと話がしたい。」と言っても「お父さんと話す事なんか無いでしょ！早く自分の部屋に戻りなさい！」と引き離されてしまう。

経母方の従兄弟は、みんな優秀で誰が聞いても知っている様な名門校に通っていた。
並みの成績の私と妹は、常に比べられていた。「●●ちゃんは優秀なのに、あんた達はダメだね。」「●●君はこんなに凄いのよ。」と。
経母自慢の私の3つ上の従兄弟ちゃんが家に遊びに来た時に、私達は台所に入るのを禁止している経母は、従兄弟ちゃんと楽しく台所でお菓子作りと夕飯を作り、私と妹も一緒に台所で作りたいとお願いしたのに、「あんた達が入っても邪魔だから、入らないで！庭で遊んでなさい！」と断られた。
他人の従兄弟は台所に入れてもらえて、自分の家なのに、自分達はお願いしても台所には入れてもらえなかった。私と妹は「何で...!?」「おかしいよね。」と言い合って惨めな気持ちで庭で泣いた。

それでも父は見てみぬ振りだった。

辛い気持ちを祖母に今度は聞いてもらったら、祖母は孫可愛さ故、夜に経母に詰めより、怒る。
それで改善する訳でも無く、祖母に言った私達が今度は父や経は母から怒られる。

自分の正直な気持ちを言えば、それが自分に返ってきてしまう。悪循環。
聞いて欲しい人は聞いてくれない。

自分の気持ちを素直に解放できない、自分の居場所が無いと感じでいた。