父の変化

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父の変化

母と別れて、祖父母の家で同居してしばらく経ってから、父の帰りがだんだんと遅くなり、お酒を飲んで酔っぱらって帰宅する日が増えて行った。 同じ家に住んでいるのに、学校に行く前に挨拶する程度しか顔を会わせない日も結構あった。 休みの日は、父の趣味のジャズを聞くために、食事の時間以外は父はずっと自分の部屋に一人でこもっている事が多かった。 たまに、私に話しかけると 私の事を 「豚」 「ブー太郎」 と呼ぶようになった。 普通体型でも、そう呼ばれた。 私は、嫌で嫌でたまらなく父に、止めてもらう様お願いしたが、父が止める事は無かった。 父は茶々をいれる軽い気持ちだったらしいが、そう呼ばれる度に、私は人間扱いされていない気分になった。 「どうせ、私は可愛くないです、豚ですよ。可愛くなんてしてやらないよ。」 私は、こんな風にどんどん拗ねていった。
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