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「紹介に預かりました、文です。元々人間でしたが、ご縁がありここに残る際鬼になりました、晶空さん、よろしくお願いしましょう。
出版したい本が有れば出来る限り援助します!
私を呼んだ理由は確かこの世についての確認ですよね、だったら鏡池に行ったほうが良くないですか?」
あーやーちゃーん!私の気遣い空回りじゃん!余計なこと言わないでよ!
ごもっともなんだけどさ、執筆がね、あるじゃん。いや、夜は早く寝るべきだし徹夜はダメだよ。
「鏡池?池に何かあるのですか?」
「ええ、この世が見える池です。あ、ゆっきー伝えてない感じ?普通伝えるでしょ?」
「だって、執筆があるからあんまり時間かからなそうな方法がいいかと思って。うちも伝えようと思ったよ!でも遠いじゃん!」
…あ。あああああああああああああ!
「ゆっきー、口調。お客様の前だよw。」
…っくう。
「笑うなああああああああああああ!?」
「んっん。あのお昼をお弁当にしてもらって3人でピクニックがてらいくことは可能ですか?」
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「いやあ、荷物を持ってもらってすまない。」
「いえいえ、これも仕事のうちですから。」
今うちらは林の中を歩いている。木漏れ日が心地よい。
あの後、香箱さんと女将に相談し、了承とお弁当をもらった。
うちが心配で見てくれていた焦さんは会話を聞いていたので、敬語でなくなったアレも聞かれてしまい、ちょっと怒られた。
いいんだ、文ちゃんが悪い。
「香箱さんのお弁当か〜、絶対美味しいに決まってるよ!そういえば、晶空さんはどのようなジャンルの小説を書かれるのですか?」
「そうですね、和風ファンタジーとか推理小説ですね。純文学も書かないことはないのですが、出版する気にはなれませんね。」
「あー、たしかに純文学は扱いが難しいですもんね。私も純文学だけは人を選びます。」
意味のわからん単語が行き交っている。どうしたものか。
「ゆっきー、本当に本読まないんだね。本は知識の宝箱なのにもったいないよ。せめて何か読んでみなよ。」
「ひどいですね。私だってちゃんと読もうとした時期はありましたよ。
有名な本とか読もうとしましたよ。果てしない物語とか。
難しくって、何言ってるかわかんないんですよ。」
一応、うちも本を読もうと思った時期もあった。
幼馴染が本にずっと興味を向けるもんだから気になるのもしょうがないが、一瞬で読むのを諦めたね。
「ネバーエンディングストーリーですか。
いい本ですが、外国の小説は和訳されるとちょっと難しい言葉使いになってしまいますよね。
でも、ミヒャエル・エンデさんの本自体はお勧めしますよ。
雪さんは中居さんですし、時間がないのでパパっと読めた方がいいと思うので、機会があればミヒャエル・エンデさんのモモなんかどうでしょうか?
いつか読まれてみては?」
「たしかに、ミヒャエル・エンデさんはいいですよね。
果てしない物語は本では読んだのですが、映画だと第二章三章と続いていくのをみてちょっと思うところがありますね。
やっぱり児童文庫といえば赤毛のアンもいいですね。
あー、久しぶりに最後まで読もうかな」
ダメだ、宇宙の言語だ。そもそも純文学とは?
学がねえからな。
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