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鏡池についた。
中心に大木があり、光のカーテンが綺麗だ。
「綺麗ですね。私初めてきましたよ。」
「意外ですね、旅館の方でもなかなか来ないんですか?」
「確かに、気ままに旅してる僕と違ってゆっきーはいつも宿場町にいるから来てるかと思ったのに。僕は結構きてるよ。綺麗だし、向こう側が見えるしね。」
一般的に転生せずに異形になった人は向こう側に並々ならぬ興味を抱くらしい。
しかし、この世に行けるほどの能力や力を持つものは稀で、力をつけるまでかなり時間がかかるので鏡池で行った感じを味わうことが多いらしい。
ただ、うちはそれほどこの世に興味がなく、忙しいを理由に来てなかった。
「忙しかったので。でも、これほど美しい時間を開けてでもまた来たいです。」
「ええ、それがいいです。美しい、素晴らしいは心を豊かにしますから。」
高城様の言う通りだ。
これまで抱えてきた何かがすっとなくなって心が軽くなった。
「ここはそれぞれの魂に関連するこの世が見えるので人それぞれ見えるものが違うのです。自分が見てるものを他人に見せることも可能ですが、秘密は守られる感じですね。」
女将から聞いた説明を丸々そのまま言ってみた。
きたことないし、秘密にしたいことも思い出せないからうち自身の言葉で言えない。
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