映画と君と恋

1/1
前へ
/1ページ
次へ
白石 (大学2年生) 黒田と幼馴染。            人当たりが苦手で、不器用なことが悩み。 黒田 (大学2年生) 白石と幼馴染。社交的で、いつも明るい。 白石 飽きた。 黒田 え。 白石 店ん中を歩き回るのも疲れたし、飽きたから、どっか別んとこ行かね。 黒田 イオン行こうって言いだしたのはお前だろ。    何も買わないのに飽きたとか……。 白石 別にいいだろ。んー、どうするかな。 黒田 なら、オレんち来る。きたねえけど。 白石 ……行く。 間 黒田 何する。この前借りた映画ならあるけど。 白石 え、黒、何の映画観んの。 黒田 んー、アクションとかホラーとか……あと…… 白石 あと、なんだよ。 黒田 恋愛もの……とか、 白石 そ、そうなんだ。なんか意外だな。 黒田 意外で悪かったな。 白石 そんなことないよ。    ……せっかくだから、一緒に観ねえ?その恋愛映画。 黒田 え……。 白石 いいだろ、オレも興味あるし。 黒田 ……わかった。 間 白石 前から思ってたけど、……黒ってさ、モテるよね。 黒田 なんだよ突然。 白石 だって勉強できるじゃん。話しやすいじゃん。    女の子とも仲良くできるじゃん。 黒田 別に普通じゃね。みんなが話しかけてくるだけで、    オレからいってるわけじゃないし。 白石 でもオレには無理。普通に話しかけられればテンパるもん。 黒田 そういえば、この前も、同じサークルの先輩に話しかけられたとき    めっちゃキョドってたもんな。 白石 いうなよ……。 黒田 悪かったよ。    それよりも、さっきの映画、主人公の最後の行動、どう思う。 白石 え、あの、最後は、ヒロインの幸せを願って自分は身を引くところか。 黒田 そうそう。オレはどうもピンと来ないんだよなぁ。    だってヒロインは、最後までどっちを好きになればいいか    悩んでたじゃん。 白石 うん。 黒田 だから、強引にでも好きだって言えば、主人公とヒロインが    くっつくんじゃないかと思ったんだよね。 白石 ふーん。……でも、オレだったらやめちゃうかな。    ……争いたくないし。 黒田 ふーん、そっか。 白石 ……ていうかさ、この前お前同じ学科の女子から告られた    らしいじゃん。 黒田 げ、なんで知ってんの。 白石 そりゃ……、……オレとお前がよく一緒にいるから、    教えてくれた奴がいるんだよ。 黒田 ……まじかよ、え、誰だよ教えたやつ。    ……いや、まあいいや、……気にすんなよ、    別にオッケーしてないから。ちゃんと断ったし……。 白石 そっか……。 黒田 うん……。 白石 ……。 黒田 ……。 白石 前から気になってたんだけど、なんでお前いつもオレといるんだよ。 黒田 え。 白石 だってお前、作ろうと思えばいくらでも友達作れんだろうし、    ……彼女だっていたっておかしくないだろ。 黒田 いや、オレは別にそんな……。 白石 昔からそうだろ。……オレみたいな根暗を相手にするより、    もっと一緒にいて楽しい奴と行動すればいいだろ。 黒田 ……なんだよそれ。 白石 だから、オレのことはそんなに気をつかわなくていいって    言ってるんだよ。 黒田 ……何なんだよさっきから。 白石 え。 黒田 ……ふざけんなよ。    オレのこと考えてくれてるみたいだけど、お前オレのこと    全然わかってないな。 白石 は、何言ってるんだよ。 黒田 オレは、白といるのが楽しいから一緒にいるんじゃん。    白が好きだから一緒にいるのに……っ……。 白石 え、今……何……。 黒田 ……。 白石 黒、もう一回言って。頼む……。 黒田 オレは、……白といるのがいいって言ったんだよ……。 白石 ……。 黒田 ……なんだよ、悪いかよ……。 白石 ……いや、えっと……。    黒、オレ、お前に隠してたことがあるんだけど、聞いてくれるか。 黒田 え……う、うん……。 白石 オレ、黒のこと好きなんだ。 黒田 え。 白石 だから、どこにも行ってほしくなかったし、    誰とも付き合ってほしくなかった。    高校のとき、お前に好きな人ができたって聞いた時から……。    ほら、お前が屋上で……。 黒田 ちょ、ちょっと待って、待って。    その好きな人って、オレ……、オレが。 白石 そうだよ、お前が「好きな人ができた。」って言ってきたときから、    オレはお前のことが気になってて……。 黒田 ……う、ご、ごめん、実はあのときのあれは…    …カマ、掛けたつもりだったんだ。 白石 はあ!? 黒田 オレ、も、あんときからお前のこと好きだったから、    気付いてほしくて、「好きな人ができた。」ってカマかけたんだ。 白石 えええ。 黒田 だから……。 白石 オレたち……。 黒田 両想いだったってこと……。 白石 ……。 黒田 そっか、オレ、お前のこと好きでいてよかったんだ……。 白石 うん……。 黒田 ……。 白石 ……。 黒田 ……あのさ、確認なんだけと、本当にオレのこと好きなの。 白石 え。 黒田 だって、これからは、キス……もするんだぞ。    ……嫌じゃないのかよ……。 白石 …っ…嫌じゃ、ない……。言っただろ。 黒田 ……そうだな。何だか、変な感じだな……。 白石 て、てれくさいね……。 黒田 ……あのさ、いいかな。さっきの……。 白石 え……う、うん、いいよ……。 黒田 ん……。(軽いリップ音) 白石 ……んっ、ふ……。 黒田 ……。 白石 ……黒、好き。 黒田 おう。 白石 ……次、この映画見ようよ。オレこういうの好きだわ。 黒田 ぷ、白なら絶対この映画観たいって言うと思ったわ。貞子。 終
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加