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彼の方から
「君は好きな人、いないの?」
と聞いてきた。
その前にどんな話をしていたのかは
よく覚えていない。
たぶん周りの友人たちの恋愛ゴシップとかだったと思う。
その流れでなんとなく聞いてきただけだ。
けれど、
彼しか見ることのできなくなった盲目なわたしは、今しかないと思った。今伝えるしかないと思ってしまった。
「わたし、あなたが好きなの。付き合いたいくらいに。」
こんな急展開、
誰も想像していなかっただろう。
彼も、わたし自身も。
彼は少しの間黙り込んでいた。
それは戸惑ったと思う。
そしてこう言った。
「うーん、そっか、でも、俺、君のそばにいられないし、ちょっと、難しいと思う。」
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