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実際そうだった。
彼は頻繁に会える距離にはいない。
距離だと電車で3時間弱、
普段会う頻度も1、2ヶ月に一度わたしがいる本社への出張がある程度だった。
そうであっても、
わたしにとっては全て関係なかった。
愛さえあれば乗り切れるはずだった。
たまにしか会えないけど
その日を楽しみにできるし。
わたしは全然大丈夫だと思ったから
伝えたのに。
それに、この間わたしに「好き」と言っていたじゃないか。
あれは嘘だったのだろうか。
わたしの中にある蟠りを
何も彼に伝えることはできなかった。
伝えることができなかったくらい
悲しかった。
「そっか。ごめん。」などと
適当に話を終わらせて、電話は切った。
今考えれば、
もしかしたら顔を合わせることも
電話をすることも
できなくなってしまうかも
しれないんだから、
もっと何かあったはずだった。
後悔しかない。
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