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「ここまでありがとう。お前のおかげで助かった」
勇者は魔王を倒し、王様に報告するために男と共に国に戻っていた。街では人々が勇者の功績をたたえ、お祭り騒ぎになっている。
「ああ。俺も勇者様のおかげでいっぱい稼がせてもらえたぜ」
男はにやにやして言った。
「じゃあ、また後でな」
男は勇者の背中をどん、と叩くと人混みの中に消えていった。
勇者は報告のために王様に会いに行った。王様は勇者の顔を見るととても気まずい顔になった。
「おお、勇者殿。よく無事に戻ってこられた。魔王を倒した報告は受けておる」
王様は冷や汗をかきながら言った。
「今日は国を挙げて勇者殿のための祭りを執り行う。勇者殿も楽しまれよ」
王様はそそくさと椅子から立ち上がり部屋を出ようとしたが、バン!と扉が開いた。
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