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突然、お礼を言いながら頭を下げた神達にキースとグアスはどう対応したらいいのかとアワアワしていたが俺もリヒトたちと同じ気持ちだった。
「俺からも礼を言う。再び巡り合わせてくれてありがとう……」
「あー!もう!わかったから全員頭を上げろ!お礼なら言葉で十分だ」
「殿下の言う通りです。私たちは何もしていませんよ。だからいつも通りにしてください」
頭を上げた俺が見たのは微笑んでいる二人の顔だった。俺はまたこの二人に恩ができてしまった。少しずつでもこの恩を返していきたい……二人に言ったらきっと「いらない」と言うだろうから言葉に出さずに胸の奥にそっとしまい込んだ。
「ところで、さっきの第二隊とよく一緒になる理由って何なんだ?」
「……っ!」
「私も気になりました。なんでそこだけ曖昧な感じだったんですか?」
「…………」
できれば触れてほしくなかったのだが、そうはいかなかったらしい。流してくれたらどれだけ嬉しかったことか……
珍しく何も言わない俺を不思議に思ったのか心配そうな顔で見られたがそれどころではなかった。これはなるべく知られたくない事なだけに口を開けない……
どうにかして話題をずらせないかと一生懸命考えた。
「あれ?シーラー隊長、そこは話してないんですか?」
一生懸命考えてたのにドイルのお陰で全て終わった。
「なんだ?」
「……いや……あの……「簡単に言うと護衛対象だからですね」……はぁぁぁぁ」
「「はい?」」
キースたちは訳が分からないという顔をした。その気持ちは分かる。俺でさえ初めて聞けばこの反応になるだろう。
「どういうことだ?」
「んーと、そこを話すとなるとあの時代の権力図とかを話さないといけないね」
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