44人が本棚に入れています
本棚に追加
「他にも色々あるけど大体こんな感じだね」
「「…………」」
リヒトの話が終わるとこちらをじっと見てくる視線に気づきそっと目を逸らした。
「レオ……」
「……」
「レオナルド……」
「…………」
「あっ!もしかしてまた例の感じ「おい!」……出したのか?」
遅かった……
ドイルの言葉を止めようとしたが間に合わずキースから「……例の?」と問い詰められた。
それでもこの事を自分自身の口からは説明したくなくて口を閉ざし続ける。
しばらく俺とキースの攻防が繰り広げられたが、話す気がないと悟ったのかキースは話をリヒトとドイルに振った。
「シーラー隊長って昔っからそうなんだよね。周りがどれだけ言っても『国に仕えてるから王族に敬意を評すのは当たり前』とか言って王族と同等とかその上に立つって考えない」
「それに実質的に国兵隊のトップで狙われやすいからって護衛まで付いてるのに自分から危険に飛び込んでいくし……護衛してるこっちの身にもなれって感じよ」
「だからいつも謝ってるだろ……」
なんで本心を言っただけでこんなに怒られなくてはいけないのか腑に落ちない。
仮にも国兵隊の隊長だ。ある程度の実力がないと指名されないその席にいるのに何故護衛対象になるのか分からない。公の場ではその事を受け入れて護衛をつけていたがそれ以外は護衛を断っていた。
俺を護衛する暇があるなら自分の業務や鍛錬に使えと……
しかしそれを言うと「これも業務だから」と言われてしまいどうにもできなかった。
だからこの時代で目を覚ました時に俺が何も言わなければあんな事にはならないだろうと思っていたのだが全て無駄になってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!