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「周りがそんなこと気にしない奴らばっかりだったから失念してた。普通は気味悪いよな……」
「レオ……」
「ごめん、変な話になったな。というわけで俺にはお前たちの魔武器の性能がわかったんだ。……これでアンリの質問の答えになったかな?」
言いながらアンリを見ると下を向いたまま震えていた。
(やっぱり怖いよな……)
何とかフォローしないとと言葉を探すが良いものが思い付かない。どうしようかと困っていると突然アンリが顔を上げた。
その瞳は怖がっているというより興味津々に輝いていた。
「つまり、レオは魔力の練り方が視えるから魔法の善し悪しがわかるのよね?」
「えっ?う、うん」
「ということは魔法をもっと上手く発動できるように的確にアドバイスができるってことよね?」
「ま、まぁ……」
アンリからの立て続けの質問の意図が分からず返事が曖昧になる。
なんでそんなに綺麗な瞳で見てくるのだろう。俺は今確かに人間離れした話をしたばかりなのに……
「あの、アンリ。気味悪いと思わないのか?」
「なんでそんなこと思わなきゃいけないのよ?凄いじゃない!今度、私の魔法を視てくれない?上手く発動できない魔法があるのよ……」
本当に……驚かされることばかりだ。まさかそんな事を言われるとは思っていなかった。しかもアンリに続いてルミやクシナまでも同じことを言い出した。
(俺はかけがえのない人たちと出会えたのかもしれない……)
この時代のこの場所で目覚めてよかった。嬉しさを隠しきれず笑みが零れる。
そんな俺とアンリたちのやり取りを微笑ましそうにキースとグアスは眺めていた。
「さて、気を取り直して本題のパートナー紹介いきますか!」
あの後、今の段階で言えるアドバイスを1人ずつに言っていたら大分時間が過ぎてしまった。
キースの「そこまで!」がなかったらきっと今も話し続けていただろう。
気を取り直してようやく本来の目的に戻ってくる事が出来た。
目線はやはり誰からいくかというものだが俺はさっき訓練棟で紹介したしここで改めて紹介することもないので先にいくと提案したのだが……
「それはなんというか後がやりずらいから最後にしてくれ!先に俺やる!」
ということでクシナが一番に紹介することになった。
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