灰色の子犬、ひとときの戯れ

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「かーわいーの」  あの瞬間見えた笑みには、ネクタイに込められた想い以外のモノがあったということ。  それを察した神永は、弟分の可愛らしい反応にニヤニヤした笑みを引っ込められたなかった。 「いーねー、うらやましいねぇー、青春だねぇー?」  小さく呟きながら、弟分の末永い幸せを祈る。  そのついでに自業自得で熨された同僚達に助けの手を差し伸べて、とうに姿を消した瀬戸に『行ってらっしゃい』と見送りの言葉を向けたのだった。 【END】
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