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202004 新型コロナでマスクを作ってました 2
定点観測ということで、二〇二〇年の四月の状況を書き残しておく。
学校の入学時期に、手芸屋から一気にマスク材料がなくなった。登校準備をするお母さんたちが、マスクを作るためにいっせいに材料を買ったのだ。
ダブルガーゼはもちろん、私がマスク製作に使う白やベージュの布、白系統のミシン糸などが、店からすっかりなくなった。
学校は再開されなかったが、お母さんたちは大変だったことだろう。
私は会社とかかりつけの病院のマスクを頼まれていた。
病院のマスクは職員さんだけ(先生方はサージカルマスクを使う)だったが、会社は全員分だったので、それなりの分量があった。
手芸屋で材料を仕入れられなくなった私は、某川でダブルガーゼとマスクゴムを買った。そして、某川に原産国が表示されていなかったので、某国の材料に当たってしまった。
ダブルガーゼは分量が多く、マスクゴムは分量が少なかった。ダブルガーゼはいままで使っていた日本産と違ってペラペラ、マスクゴムはアイロンを当てると硬化するという代物だった。
それなりの分量なので材料を捨てることもできず、私は会社のマスクは某国の材料で作った。病院へは日本産のダブルガーゼと、マスクゴムの代用品であるウーリースピンというやわらかい平ゴムで作った。
手芸をやっていると、日本産の材料がいいということと、日本産の材料だけではコストが高くてやっていけないという、ふたつの立場がよくわかる。なので私は、日本産と他国の材料とをミックスしてものを作るが、ダブルガーゼとマスクゴムは断然前者だった。
病院へマスクを届けた一ヶ月後、私は病院の診察へ行った。一ヶ月経っても病院の備品を扱っている問屋にマスクがないとのことだった。病院の方々から丁寧にお礼を言われたが、私はこんな状況は間違っていると強く思った。
私はネットで日本産のダブルガーゼとウーリースピンを頼んだ。日本産のダブルガーゼはふんわりと厚かったが、分量はきっちりだった。さすが日本だと思った。
私は知り合いからイラスト入りのマスクを売ったらどうかと言われた。
イラストは、イラストレーターをやっている知人が描く。その話をしたところ、レーターさんは乗り気だという。
私は商品管理が面倒だったので、いままで知り合いにしかマスクを作っていなかった。相場より安めに作っていたので、儲けもそれほどなかった。が、今回は真面目に儲けを出すためにマスクを作る。一応経験を積んだので、やれるのではないかと思った。
レーターさんが手書きで布にイラストを描き、私がそれを縫製する。現在インターネットのハンドメイドサイトへ出展準備中である。
四月の終わりに、仕事を辞めることになった。が、会社からいつでも戻ってきていいよと言われて、長期の休み扱いになっている。先の状況がわからないので、いつまで休むのかもまだ決めていない。宙吊りの状態で、四月を終える。
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