大熊座の親子

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<12>  「いったん事務所を畳もうと思う」  蓮君がここを出て行って、一か月ほど経った頃だった。  季節はもう・・六月になろうとしていた。  大熊さんはその頃、事後の処理に毎日奔走し通しで、毎晩深夜まで帰宅はずれ込んでいた。  その日も早朝から深夜まで駆けずり回っていた、大熊さんがようやく帰宅したのは・・夜中の2時を回ってからだった。  「わかりました。でも、社員は?タレントさんは?受けた仕事はどうするんですか」  やや矢継ぎ早な僕の質問に、大熊さんは首を軽く横に振った。  「俺の先輩・・・まあ、兄貴分に当たる人の事務所が比較的大きな事務所なんだが・・。そこで、仕事がある子達は預かって貰えそうだ。残りの子達は俺が紹介状を書く」  「今いる社員は?全員放り出すんですか」  「それも考えてある。悪いようにはしない」  「・・じゃあ、僕は?どうなさるつもりですか」  そう、尋ねると・・・大熊の瞳が僅かに潤んだ。  「そうだな・・。君には・・・申し訳ない事をした。四月から晴れて、磯貝事務所で弁護士として働く筈だったのに、蓮の事で俺が引き止めちまったから。・・俺の所為で宙ぶらりんになっちまったな・・・すまない」  「それは良いんです、僕も蓮君の事は心配でした。一人っ子の僕には、蓮君はずっと弟みたいに感じていましたから・・。むしろ、彼を最後までお世話させていただいて、大熊さんには感謝している位です」  「そんな・・・ハハッ、俺は君に迷惑事を最後まで押し付けただけだ」  大熊さんは顔を上げているのが辛かったのか・・そのまま俯いてしまった。  僕は・・・何故だろう、その煮え切らない態度についイラっとしてしまった。  咄嗟に、  「僕は・・僕はどうしたらいいんですか?貴方は何も言わない、僕は・・・!」  そう強めに怒鳴ってしまった。  その瞬間。  大熊さんが僕を、強く強く抱きしめた。  「・・・言える訳無いじゃないか!こんなぼろぼろのオッサンが、君にどの面下げて「一緒に居て欲しい」・・・なんて、虫の良い事言えるってんだ!」  「でも・・言って下さい。でないと、僕は分かりません」  「言えない、言える訳ない。幸せにするって、約束なんか出来ない・・・・」  「でも、僕はもう・・貴方の隣じゃなきゃきっと、幸せになれません」  その言葉に、僕の背に顔を埋めていた大熊さんが、少しだけ顔を上げた。  「・・・・・南、君・・?」  「二人きりの時は、「孝生」と呼んで下さるんでしたよね」  「・・・・・・・・」  「呼んで下さい、僕の名前」  僕は大熊さんの首に腕を回して、そっと唇にに口づけた。  唇に優しくタッチして、離そうとした瞬間・・。  大熊さんが、僕をそのまま押し倒して・・何度も何度も激しくキスをして来た。  「大伍・・さん・・・ふうっ・・はぁ・・・・」  「孝生、孝生・・・!」  数分、だっただろうか。  それとも、もっとだったのか・・・・。  何度も激しく舌を絡め合い、互いの愛情を確かめ合った。  その・・唇が離れた瞬間。  大熊さんに再び強く抱きしめられた。  僕の背で、小さく嗚咽する大熊さんの声がした。  その嗚咽に呼応するように・・僕の目にも、涙が溢れ出た。  ・・・その抱擁が解かれたとき。  大熊さんが僕の目をじっと見つめて、  「愛してる。でも、今のこの状態で君を幸せにできるとは言えない。でも、俺は・・君をもう手放す事なんて考えられない」  僕に、精一杯の声を振り絞って告げた。  僕は涙をにじませながら、精一杯の笑顔で笑った。  「知らなかったんですか?僕はずっと最初から、貴方しか見ていませんでしたよ。僕を貴方があの部屋から引っ張り出した、あの時から・・・もうずっと、僕の心は貴方だけの物でした。・・フフッ、きらり君には見抜かれちゃいましたけれどね」  大熊さんはそれを聞いた瞬間、大きく目を見開いた。  「・・じゃあ、あの時から・・・?」  「だって、考えてみて下さい。どこの誰とも知らない人の家に、突然住むんですよ?  少なくとも、貴方の事が嫌いだったら絶対に付いてなんか行きませんよ」  「・・・・・確かに」  「それに・・・最初は「嫌いじゃないけどおせっかいな人」位でしたけど。貴方達のお世話をしている内に、毎日が楽しくて楽しくて・・・。何で、家に居る時とこんなに景色が違うんだろうって考えたら、答えは単純でした」  「やっぱ、にぎやかだからか?」  「ええ。でも、いつもその中心にいたのは貴方でした・・大伍さん」  「・・・そうか、俺かぁ」  大熊さんがワハハと笑った。  「ええ、オジサンなのにキラキラしてる貴方に、僕も何時の間にか恋していたんです」  僕もからからと笑った。  「オジサンは余計だ、コラ」  「だって貴方、若くは無いでしょう?」  そのまま二人は・・どちらからともなく、唇を重ねた。  何度も、何度も、互いをハグするような・・舌と舌が愛撫し合うようなキスを重ね、互いの気持ちを何度も確かめ合った。  顔を上げた時・・大熊さんが何かに気付いた様だ。  「!そうだった・・きらりは?」  僕はつい吹き出してしまった。  「気付かなかったんですか?きらり君、貴方が余りに辛そうなのが見てられないって言って、友人の家に二週間前から泊まりに行ってるんですよ」  「・・・・そうだったのか」  「ええ、貴方のこの数日の憔悴、かなり危ないレベルでした。僕もずっと、貴方が間違いを起こさない様に注視してたんですよ?」  「・・・そうか」  「ええ」  大熊さんはゆっくり身体を起こすと、そのまま僕を軽々抱き上げた。  「じゃあ、遠慮なく君を俺の物にできる」  そう耳元で告げると、そのまま自室への階段を上り、僕を部屋に連れ込んだ。  僕を、大熊さんがやさしくベッドに横たえてくれた時。  「・・フフッ、なんかお姫様みたいで恥ずかしいですね」  僕が照れながら身体を起こそうとすると、そのまま唇を塞がれてしまった。  「俺にとっては、君はお姫様より上等だ」  何度となく唇を重ねながら、何時しかワイシャツのボンが外された。  僕がパンツ一枚になった時、大熊さんもすでにパンツ一枚になっていた。  「大熊さんの身体、初めて見ました。凄く、筋肉質なんですね・・」  「ああ、昔は山男で鳴らしてたからな。今もトレーニングは欠かしてない」  「だからかぁ・・何か、これからこの素敵な体に抱かれるなんて。フフッ、流石に、緊張しますね・・・」  僕がはにかむと、大熊さんは無言で僕のパンツを引っぺがした。  「ひゃうっ・・!」  思わず奇声を発してしまったが、大熊さんはもうそんな事が耳には入っていない様で、唾液で濡らした指を僕の窪みに押し込んで掻き回し始めた。  「君は俺を煽るのが上手いな・・。・・・何も付けなくても、濡れてる。・・もしか して、俺の裸で?」  じっと見つめられ、思わず顔を背けてしまった。  「・・そうかも。だって、心臓胸から飛び出てきそう・・・」  その真っ赤な僕の横顔に、大熊さんがやさしくキスをしてくれた。  それと同時に、指の本数が増えた。  「・・あ!ああっ・・・もう少し、優しくして・・・・」  「でも、もう三本目の指は根元まで入ってる。それに・・あんな事言われて興奮しない男はいないだろ」  その指の動きが、言葉と共に激しさを増した。  ぐちゅっ、ぐちゅっ・・と、かき回される度に小さい悲鳴が漏れ出る。  「ふうぅっ・・・はああぁ・・・・くうっ・・・」  どうにか大熊さんの背に腕を回して、必死にしがみつきながら快感に耐えるが・・。  突然大熊さんが、耳をしゃぶりながら何度も甘噛みして来た。  そのまま、後ろ手に回った指の動きはさらに激しくなり・・遂に四本の指で窪みをかき回され始めた。  「・・孝生は本当に可愛いな、食べたくなる位。それに、凄く良い匂いがする」  「駄目、もう・・・・あっ、あああっ!」  耳に息を吹きかけられた時点で、僕はもう堪らずにいってしまった。  「・・うあっ・・・ンううっ・・・・」  身体をがくがく揺らし、大熊の胸に顔を埋めつつ、涙目で必死に快楽を受け止める・・。  「孝生、マジ可愛すぎだろ・・・」  大熊さんは僕の放った粘液を手で受け止め、僕の窪みから引き抜いた指で自身の肉茎に塗り込んだ。  そして数回扱く様に、まんべんなく肉茎に粘液を擦りつける間。  「俺は名前の所為も有って、よく周りから”熊”と呼ばれて来た。自分で言うのもなんだが・・どちらかと言えば、下半身の方が”獣”じみてる。・・孝生は、どれくらい経験がある?」  そう聞かれたが・・。  「・・・僕の初体験があの「事件」でしたから・・。経験と言われても、それしか」  (それより前に、一度だけだが高校生の時に、当時の彼とホテルに行った事があった。けれど、お互い初体験だった為に上手くいかず、プラトニックを超えることは出来なかった。それ以来、セックスは軽いトラウマだった)  「・・・そうか」  そんなやり取りの後、ぼそりと  「まあ・・しばらくすれば慣れて来るだろう。少しだけ我慢してくれ」  そう告げられた。  (そんな事言われても・・恥ずかしくて、見れない・・・)  そのまま大伍さんは僕をうつ伏せにすると・・覆い被さる様にのしかかって来た。  それと同時に・・・僕の窪みに熱を帯びた熱い塊が、ゆっくりと侵入して来た。  子供の手首位あるその熱い塊を、大伍さんが力で押し込んで来る。  先程指で入り口はほぐされてはいるが、奥の方は未だ慣れてはいない。  メリメリ・・と筋肉の壁をこじ開ける熱い塊に思わず、うめき声を漏らしてしまった。  「・・・ッ、うあああ・・・っ」  「我慢してくれ、もう少し」  けれども・・比べるのもおぞましいのだが、以前強姦された時と全く質量が違う。  (悲しい事に、僕の「ちゃんと」経験した初体験は、あの時が初めてで、比べる物があれしかないのだ)  それにしても・・何か、想像していた物より・・随分大きい気がする。  ”あいつら”のモノの時は、もう僕の中に全てが納まっていた。  大伍さんのは・・何時まで我慢しても終わりが見えない。  「くっ・・苦し・・い」  それにしても・・いくら何でも、挿入が長すぎる。  「悪い、あともう少し」  (・・もう少し・・って!)  未だ、僕の中に太くて熱い塊は呑み込まれてゆく。  ・・・幾ら何でも、もう子供の肘近くまで入っていると思う・・。  流石に、快感より苦しさの方が先に来る。  「もう、無理!もう・・・」  入り口とお腹がさすがに苦しくなってきた。  「もう、最後だから。・・全部入れる、ぞ」  「ひいっ・・・あぁーーー・・っ!」  大伍さんのその一言と共に、強烈な突きを窪みに喰らい、その一撃で又いってしまった。  その一撃は、一番奥の、子宮にダイレクトに刺さっていた。  裏を返せば、大伍さんのモノはそれだけでかいと云う事になるのだ・・。  「動くぞ、じき良くなるから・・我慢してくれ」  「えっ?・・あ、ああっ!」  その巨大なモノを、大伍さんはその後遠慮なく僕の身体の奥にガンガン突き込んで来るのだ。  「・・はぁぁ・・ふっ、ふううっ・・・・・」  シーツを噛みしめ、必死に声を殺して耐えるが・・・。  抜き差しされる度に、あまりに衝撃が凄まじくて・・・意識が何度も飛びそうになった。  僕の身体が標準より小さい事も有るのだろうが、それにしてもこれは・・・。  「あ、あんっ・・・はっ・・はあぁ・・・・・」  僕の口からは、つねに悲鳴が漏れ出てしまう。  しかし・・大伍さんは、何も声を発さない。  ただひたすら、行為に没頭しているように感じる。  はぁ・・・・ふうっ・・あ、ああっ!」  僕は、子宮を強くゴリゴリと突かれる度に軽く身を震わせていってしまっているのだが・・・。  大伍さんには、まだ余裕しか感じられない。  呼吸のリズムも大して乱れてはいないし、何より僕の身体に合わせて蠕動運動をしている”気遣い”を端々に感じる。  逆に僕の方は、身体をがっちり掴まれていて身動きすら満足にできぬまま・・大伍さんの下で、失神しかけながら小さな悲鳴を上げ続けた。  「だい・・ご、さんっ・・・もうっ、あ!」  腰の動きが次第に早くなってきた。  でも僕は・・・もう限界なんか、とうに通り越していた。  「はあ・・・ああ!また・・っ・・・ン!」  大伍さんが急に、僕を更に強く抱きしめた。  「出すぞ」  耳元でそう告げられた瞬間。  体の奥が急に熱くなった。  お腹の奥で、大伍さんのモノが・・トクントクンと、脈打ちながら粘液を吐き出している。  「ふぁ・・・熱い、おなか・・・・」  「俺の子、産んで欲しい。・・だから、一番奥に全部出すからな・・」  そうう云い終わらぬ内に、さらに奥に突き込まれた。  「だめ、ああっ・・ああああ!」  大伍さんの肉茎の先端は本当に意地悪で、粘液を吐き出しながら子宮口を何度も擦り上げるのだ。  もう・・余りの快感に、気が変になりそうだ・・・。  「やだ!もうこれ以上・・・いけない・・あああっ!・・・・・・あ」  僕は何度も痙攣を繰り返し、遂に大伍さんの腕の中で失神してしまった。    それから30分ほど経ったのか・・・。  耳元で囁かれる、大伍さんの声で漸く目が覚めた。  「・・・ン・・ああ、僕・・・・」  未だまどろみの中に居る僕の頬に、大伍さんは優しく口づけた。  「・・ようやく起きた。じゃあ・・続きをしようか」  そう告げられた瞬間、僕の身体は仰向けに転がされ、大きく足を広げられた瞬間・・・。  一気に根元まで、あの巨大な塊が僕の中に滑り込んできた。  「ふぅ、あ・・あああああ・・・!」  鈍い痛みと共に、ただただ長い快感の余韻だけがひたすら続く。  「こんなの!・・・いく、だめ!・・ああっ・・・!」  僕は挿入されて直ぐ、何度も身体を揺らして絶頂を迎えてしまった。  「はあっ、はぁ・・うああっ・・・・」  身体をひくつかせ、切れ切れに吐息と粘液を吐き出す涙目の僕を、大伍さんは満足気にじっと見つめている。  「か~わいいなぁ・・。君は本当に可愛い。イキ顔が特に堪らない。もっとして」  急に腰が激しく動き出した。  窪みを肉ごと激しく擦り上げられ、何度も奥に突き込まれる。  「あ・・あ!やああああっ・・」  大伍さんはわざと何度も、肉茎の先端で僕の子宮を小突き回す。  ・・僕の急所が子宮口だと分かっていて、そんな意地悪をして来るのだ。  「だめ、だめって!・・・そこは・・・ひうっ!あ!」  「う~ん、何ていい顔なんだ・・。トロットロ」  ・・悔しくても、もう声もろくに出せない。  僕の視界は、そのまま真っ暗になっていった。
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