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エピローグ
12月中旬、学校が終わり家へと帰宅する。
一人暮らしのアパートのドアに手をかけると既に鍵は開いていた。
泥棒か?
そのままドアを開けて玄関に入ると...
「おかえり〜! ご飯にする? お風呂にする? それともーーー」
「ご飯以外却下!」
泥棒.....ではなく心暖ちゃんが出迎えてくれた。
そして俺はその新婚さんのテンプレみたいな問いかけに即答してみせた。
「ちょっと〜ノリ悪いよ〜?」
少し拗ねている様子だったが気にせず俺は部屋に上がった。
※
「今日帰るの遅かったね? 鍵もらっててよかったよ〜」
毎日ご飯を作ってくれることになってから俺は心暖ちゃんにスペアキーを預けている。別に何もされてないから問題はない。
逆にここまできて何かされてたら俺立ち直れないと思うけど!
「うーん...」
「どうしたの涼くん?」
「いや、次は何作ろうかなって考えててさ」
「なーんだ、そういうことなら提案があるんだけどいい?」
「どうぞ」
「クリスマスケーキ!」
「クリスマスケーキ」
それってさ...
「それってクリスマス俺と一緒に過ごすってことか?」
「何か用あるの?」
「いや、ねえけどさ」
「じゃあケーキ作ってよ! あたしお肉とか焼いとくからさ!」
まぁ、なんだかんだ心暖ちゃんとのクリスマスは楽しみだけどな。
「期待してるよ、涼くん!」
そう言って心暖ちゃんは笑った。
クリスマスに美味しそうにケーキを食べる彼女が見たい。
それをモチベーションに、しばらくはケーキ作りの練習に励むのだった。
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