つぎの色をさがして-Scene1

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つぎの色をさがして-Scene1

「──え」 私は正面に座る男──谷元亮介の顔をまじまじと見つめた。 おしゃれな店内にはジャズっぽい音楽が控えめに流れている。 「だから……俺たち、別れようって話」 その顔にほんの一瞬苛立ちが滲んだのを私は見逃さなかった。 「……『別れよう』?」 私はゆっくりと、亮介の言葉を繰り返す。 彼は片眉を上げただけで何も言わない。 「……『別れてください』の間違いじゃなくて?」 私は手にしていたカップをかちゃりと下ろし、にっこりと微笑んだ。
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