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アカンベー
「おはよう」友伽里は元気に挨拶をしながら教室の中に入っていった。
「おっす!」俺も彼女の後に続いて教室に入った。
「よ!同伴出勤ですか?いつも仲が宜しいですねぇ、お二人さん!」同じクラスの堂島が声をかけてくる。彼はいつも元気なクラスのムードメーカーである。
「ありがとう」友伽里がなぜかお礼を言う。
「馬鹿な事言ってるんじゃねえよ!」言いながら俺は、鞄を机の上に放り投げる。本日は午前中の授業だけで終わる予定の為、ずいぶん軽い。
「照れるなよ、学内で唯一の公認カップルだろ!お前達に関しては先生ですら何も言わないものな。どうせお前達、将来は結婚するんだろ」茶化すように堂島は俺の耳元で囁いた。
「それ以上言うと、ぶっ飛ばすぞ!」軽く堂島の胸ぐらを掴んで言った。
「おお、怖!」掴んだ手を軽くいなすと、堂島は自分の席に逃げるように移動した。
「まったく、お前が学校でも気軽にしゃべりかけてくるからこんな事になるんだ」斜め前の席に座る友伽里に嫌味を一つ言ってやる。
友伽里は、舌を軽く出してアッカンベーの仕草をした。
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