旦那様と離婚の条件

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旦那様と離婚の条件

 結婚した当日に離婚届を書いた。  お互いが納得して結婚して――そして、お互いが納得した上で離婚届を書いたのだ。 「家の方針だ……。家の方針で俺は君と結婚するだけであって、君は君の自由にすればいい。  ――この結婚は条件が揃えば、解消出来るからね」  新郎、伊ヶ崎(いがさき)悠真(ゆうま)。十八歳、高校三年生。 「……分かった。自由にさせてもらうわ」  新婦、伊ヶ崎(いがさき)美咲(みさき)――旧姓、円城(えんじょう)美咲。十七歳、高校三年生。  この結婚に対しての文句を二人で喚きつつ、一緒に離婚届を書いて――  五年が経過した。
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