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非嫡子だからって、未来を左右されまくるなんて一体何時代なんだろうか。なんて思うけれど、それが今でも横行してるのが上流階級なんだよね。
煌びやかな服を纏い、キラキラと輝く宝石を身に付けた人々と世界の残酷な一面でもある。
結構排他的な人が多いのよ。
でも、この心構えなく行われた一連の入籍までの流れに、高校生だった私達が納得出来る訳がなかった。
入籍当日に離婚届を書いたのは、私と悠真のお互いの親に対する反抗心と戸惑い。そして――怒り。
まだまだ精神的に子供だった私達は大変憤慨していた。主にこのスパイラルを作り出してきた大人達に対して。
そして、私は伊ヶ崎悠真に同情的だった。
一般的な生活を送っていたはずの彼はこんな苦労しなくてもよかったはずなのに、と。
「離婚の条件、覚えてる?」
会員制であり、完全個室のレストラン。そこのオススメのワインボトルを二人で開けながら、運ばれてきたメインディッシュに手を付ける。
個室内は薄暗くて、テーブルの上には手元を照らす小さなキャンドルが灯っていた。東京のネオンライトやビルの光の夜景を損なうことなく、ゆっくりと眺める事が出来る。
夜景を売りにしているのか、二人の席は向かい合ってではなく、やや夜景の方を向いているので、すぐ隣に悠真の存在を近くに感じる。
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