旦那様とデート

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 ―――――――――――――――  ――――――――――  悠真とのデートはとても楽しかった。  ドレスの試着とジュエリーショップの後は、適当にウィンドウショッピングを楽しみ、私が目をとめた服を纏めて全て買おうとする彼を止めたりなんて一幕もあったけど、夜まで私ははしゃいでいた。  昼食の際に不意によぎった不安なんて、すっかり忘れてしまう具合には。  日曜日も二人で濃い一日を家の中で過ごした。私の手料理をベタ褒めしてくれる彼と、ずっとイチャイチャしていたと言ってもいい。  それでもリビングに置かれているキャビネットに自然と目がいく。  一番上に〝それ〟は入っている。  〝それ〟以外は何も入っていない引き出し。  見てくれは二つ折りのただの紙。  開くと記入済みの離婚届。  あれだけ甘々に豹変した悠真を見ても、これを捨てようだなんて思わなかった。  今でもまだ私の心情的には必要で、ただの紙切れなはずなのに未だに私の逃げ道だった。
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