旦那様とデート

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 ―――――――――――――――  ―――――――――― (悠真)  自分の秘書に嫌われたせいで、業務に支障はあるのだろうか?  ふと遠い目になって、アホらしい疑問が浮かんだ。  総務部秘書課の眞木は俺付きの秘書の一人である。眞木が休みの時の代打の為に他に秘書はいるが、眞木に任せる事が多いので、ほぼメインの働きをしているのが彼女。黒髪ボブで、黒縁眼鏡を掛けた神経質そうな外見をしていた。  まあ、眞木自身はビジネスに私情を持ち込むタイプではなさそうなので、多分大丈夫だろう。バリバリのキャリアウーマンタイプだし。  別に好かれたいとは思っていない。ビジネスライク的な関係を築ければ万々歳だ。  だが、突然……というか、今朝からいきなり表情に嫌悪感が滲んでいた。突然すぎて訳が分からない。眞木はビジネスに私情を持ち込むタイプではないが、顔に出やすい所はどうにかして欲しいと思わないでもないが。  それにしても――と、頭をビジネスの事から切り替えて、椅子の背にもたれ掛かった。仕事以外は休日の事を思い出して幸せに浸ってしまう。長年片想いしていた女性と晴れて両想いになって、浮つかない訳がない。きっと世の中の男だって、俺と同じ事を思うだろう。それでなくとも、俺自身はどちらかというと単純なタイプだ。
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